睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは、睡眠中に呼吸が止まる、または浅く・弱くなり、それによって日常生活にさまざまな障害を引き起こす病気です。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まることで、身体が酸欠状態となってしまい苦しくて眠りが浅くなり、昼間の眠気が自覚症状として表れてくる人が多い事も特徴です。
また酸欠状態から身体にも相当な負担を与える為、高血圧・糖尿病などの生活習慣病や、心不全・脳卒中などの怖い疾患を合併する恐れのある病気です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)の病態で、ほとんどを占めるのが、舌根部が沈下することや扁桃腺肥大、気道周囲の脂肪から上気道(空気の通り道)が塞がる、または部分的に狭くなる事で起こる閉塞型睡眠時無呼吸症候群です。
いびきをかく人の7割に閉塞型無呼吸症候群が隠れていると言われています。また小柄な女性の方でも、下顎が小さい事や加齢による呼吸筋活動低下から、 閉塞型睡眠時無呼吸症候群を隠し持っている人もいます。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中の問題が日常生活に様々な支障を来します。
下記のような症状をお持ちの方は、一度当院に受診ください。
睡眠時間を確保していても
睡眠時無呼吸症候群は、頻繁に起こる無呼吸により血液中の酸素低下、中途覚醒(脳の起床)による睡眠の分断等により、多くの生活習慣病の合併症を引き起こす事が明らかになっています。
特に循環器疾患において、高血圧は健常人の2.89倍、夜間心臓突然死は健常人の2.57倍、脳卒中・脳梗塞は健常人の1.97倍リスクが高くなると報告されています。
SASを放置するとさまざまな合併症や交通事故、それに生命を脅かす原因となります。
下記の原因の一つにSASがあることが指摘されています。
当院では、ご自宅で簡単に行える睡眠時無呼吸症候群の検査を導入しています。ご自宅で行え、就寝時のみに装着の検査ですので、 仕事や日常生活で何か制限が起きるようなものでもありません。
検査装着イメージ
睡眠時無呼吸症候群の治療法には、様々な方法がありますが、最も代表的な治療法はCPAP療法です。ほかの治療法に比べて治療成績が良いとされています。検査の結果、中等症以上の方は、保険適応で治療が可能です。
当院では、CPAP装置のデータを遠隔にてモニタリングを行うことができます。
他の病院やクリニックからの紹介・転院につきましても対応可能ですので、お気軽にご相談ください。
CPAP療法は、器械からホースを通して鼻マスクへ空気を送り、その圧力で、舌を持ち上げ気道を確保します。この療法は睡眠中の無呼吸やいびきが減少し、睡眠時無呼吸症候群による症状の改善が期待されます。慣れるまで2~3ヵ月ほどかかる人もいます。使えるようになるまで根気よく頑張りましょう!
睡眠時無呼吸症候群が原因で血圧が上昇している場合においては、降圧(血圧を下げる)効果の報告もあります。ほかにも下記のような効果が期待されます。
CPAP療法は、閉塞性無呼吸症候群に起因する
心血管障害による死亡の危険性を有意に減らします。