症状と考えられる病気

いびき・睡眠時無呼吸症候群(SAS)いびき・すいみんじむこきゅうしょうこうぐん

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?

睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは、睡眠中に呼吸が止まる、または浅く・弱くなり、それによって日常生活にさまざまな障害を引き起こす病気です。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まることで、身体が酸欠状態となってしまい苦しくて眠りが浅くなり、昼間の眠気が自覚症状として表れてくる人が多い事も特徴です。

また酸欠状態から身体にも相当な負担を与える為、高血圧・糖尿病などの生活習慣病や、心不全・脳卒中などの怖い疾患を合併する恐れのある病気です。

睡眠時無呼吸症候群の原因は?

睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)の病態で、ほとんどを占めるのが、舌根部が沈下することや扁桃腺肥大、気道周囲の脂肪から上気道(空気の通り道)が塞がる、または部分的に狭くなる事で起こる閉塞型睡眠時無呼吸症候群です。

いびきをかく人の7割に閉塞型無呼吸症候群が隠れていると言われています。また小柄な女性の方でも、下顎が小さい事や加齢による呼吸筋活動低下から、 閉塞型睡眠時無呼吸症候群を隠し持っている人もいます。

  • 正常な状態
  • 睡眠時無呼吸症候群(閉塞型)

睡眠時無呼吸症候群の自覚症状は?

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中の問題が日常生活に様々な支障を来します。
下記のような症状をお持ちの方は、一度当院に受診ください。

昼間

睡眠時間を確保していても

  • 運転中に眠くなる
  • 会話していて眠くなる
  • 集中力が続かない
起床時
  • 熟睡感がない
  • 口が渇いている
  • 頭がスッキリしない
  • 起床時に頭痛がある
睡眠中
  • 激しいいびきをかく
  • 呼吸が止まる
  • 何度も目が覚める
  • 寝汗をよくかく
  • トイレに起きる

睡眠時無呼吸症候群の怖い合併症?

睡眠時無呼吸症候群は、頻繁に起こる無呼吸により血液中の酸素低下、中途覚醒(脳の起床)による睡眠の分断等により、多くの生活習慣病の合併症を引き起こす事が明らかになっています。
特に循環器疾患において、高血圧は健常人の2.89倍、夜間心臓突然死は健常人の2.57倍、脳卒中・脳梗塞は健常人の1.97倍リスクが高くなると報告されています。

合併症

SASを放置するとさまざまな合併症や交通事故、それに生命を脅かす原因となります。
下記の原因の一つにSASがあることが指摘されています。

  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 不整脈
  • 脳卒中
  • 心不全
  • 居眠り運転
  • 高血圧
  • 糖尿病
  • 不整脈
  • 脳卒中
  • 心不全
  • 居眠り運転

睡眠時無呼吸症候群の検査方法は?

当院では、ご自宅で簡単に行える睡眠時無呼吸症候群の検査を導入しています。ご自宅で行え、就寝時のみに装着の検査ですので、 仕事や日常生活で何か制限が起きるようなものでもありません。

検査装着イメージ

睡眠時無呼吸症候群の治療は?

睡眠時無呼吸症候群の治療法には、様々な方法がありますが、最も代表的な治療法はCPAP療法です。ほかの治療法に比べて治療成績が良いとされています。検査の結果、中等症以上の方は、保険適応で治療が可能です。
当院では、CPAP装置のデータを遠隔にてモニタリングを行うことができます。
他の病院やクリニックからの紹介・転院につきましても対応可能ですので、お気軽にご相談ください。

CPAPってどんな治療なの?

CPAP療法は、器械からホースを通して鼻マスクへ空気を送り、その圧力で、舌を持ち上げ気道を確保します。この療法は睡眠中の無呼吸やいびきが減少し、睡眠時無呼吸症候群による症状の改善が期待されます。慣れるまで2~3ヵ月ほどかかる人もいます。使えるようになるまで根気よく頑張りましょう!

CPAPの効果は?

睡眠時無呼吸症候群が原因で血圧が上昇している場合においては、降圧(血圧を下げる)効果の報告もあります。ほかにも下記のような効果が期待されます。

治療を維持するメリット

  • 心血管障害による死亡率の改善
  • 昼間の眠気改善
  • 高血圧の改善
  • 夜間頻尿の改善
  • 認知症進行の抑制
  • いびきによる不快の軽減
  • 糖尿病の発症リスクの軽減
  • 眠気による事故防止

CPAP療法と血管障害リスクにおける生存率

CPAP療法は、閉塞性無呼吸症候群に起因する
心血管障害による死亡の危険性を有意に減らします。